2024.11.07
ブログ 一般NO.25 現代における士農工商:利益の再配分を考える
「士農工商」とはみなさんご存じの江戸時代における身分制度であり、武士には様々な特権が与えられる一方、当時の百姓、町人と呼ばれる方々に年貢や税が課され、武士の生活を支えていたと学んだ社会階級を表す言葉です(※)。ここでは、この士農工商という序列を基に、現代における利益の享受順位、つまり「誰が一番利益を得るべきか」という考え方について考察してみます。
まず、あるべき順番としては「農工商士」でありましょう。
「農」とは、農家のことだけを指すものではなく、一次産品全般を産み出す生産者を指します。0から1を産み出す人達。作っている人たちが誰よりも一番利益を享受すべきと私は考えます。当社は青果物の流通を担う業者ですから、生産者が100円の利益であれば当社は50円の利益というのが基本スタイル。この利益順が逆転し、当社が100円、生産者が50円などということになれば修正しなければならないビジネスモデルと考えます。放置すれば早晩行き詰まることでしょう。
「工」とは農によって生み出されたものを加工することに従事する人達全般を指します。農の次に大きな利益を享受する権利があると言えます。
「商」とは農工による産品の流通・販売に従事する人達。当社もこの部類に入るでしょう。農工の利益分配に気を配りながら、適正な利益を享受することに努めることで長く繁栄を続けられると考えます。
「士」とは農工商が円滑に連携できるようコントロールを担う部類と言えます。政治家、国、地方公共団体などが当たると思います。
こういった観点から現代を照らし合わせてみますと、利益の享受に関しては農工といった部類が一番割の合わない仕事をさせられているのではないか?と思うわけです。対して、緊縮財政を国民に強いた挙句、自分たちはぬくぬくと暮らす政治家(裏金問題など)や国の団体など、いわゆる「士」が一番の利益享受者であるということが明るみに出てきている状態です。
利益の享受順という面から見ても、今の日本は「おかしい」と言えると思います。
30年と言われる長きにわたり、なぜ日本だけが衰退・足踏み状態に陥ってきたのか。なぜ人口減になってしまったのか。それは利益享受の序列を誤り続けてきた結果ではないのか?と一つの仮説を立てることができると思うのです。
私の知る限り、一番の利益の享受者であるべき農業は長きに渡り貧乏暮らしを余儀なくされてきました。その結果として農業に従事、継承する人口は激減し、高齢化問題が拍車をかけています。今後10年で対策を考え、実行し、成果を出さなければ深刻な食糧危機に見舞われます。ほうれん草が20円上がって、「物価が高くなったね~」だなんてのんきなことを言っている場合ではないのです。お金を出しても買えない、という惨状が映画ではなくリアルに迫ってきています。じょうむ
※最近の研究では、この区分による身分制度は存在しなかったということも発表されています。
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