2026.01.30
ブログ 経営NO.229 「賃上げ正義!」の裏で進む”静かな崩壊” ~③「1500円払えない企業は淘汰されればいい」という幻想~
よく耳にする意見があります。
「時給1500円払えない企業は淘汰されればいい」
本当にそうでしょうか?
世の中は、そんなに優秀な人材だけで構成されているわけではありません。
自称「俺は優秀だ」という人はたくさんいますが、実際に企業が求めるレベルの成果を安定して出せる人は、決して多くありません。むしろ、偏向した報道やフェイクのSNSの記事を鵜呑みにしてしまう人が大半を占めているのが現実です。これが、平均的なのです。
では、そうした“平均的な人々”を、淘汰を勝ち残った優良企業が本当に雇ってくれるのでしょうか。
勝ち残る優良企業では、機械化・IT化・AI化が進んでいることと思います。つまり、そこに雇用してもらおうと思ったら、相手は人間ではなく、機械や人工知能と対峙することになります。その相手は8時間で疲労などを感じません。やることに寸分の狂いもありません。有休も必要なければ、誰が好きだとか、嫌いだとか、やりにくいとか、そんな文句を一切会社に発しない超優秀な戦力です。
優良企業の中には、すでに人間自体を機械やAIの劣化版として認識しているところも少なくありません。最低賃金1500円どころか、それ以上の賃金を払ってでも採用したいと思える人材しか採りません。
今や、時給1万円相当の価値以下の作業はAIにとって片手間にすらならない、とるに足らないほどの作業となっています。
したがって、「1500円払えない企業は淘汰されればいい」という主張にあたり、“企業だけが淘汰される”というイメージしかない場合は非常に危険です。現実には、企業以上に淘汰されるのは雇用される側なのです。
企業が消えれば、その企業に雇われていた人たちもまた、労働市場から弾き飛ばされます。
そして、最低賃金1500円の価値を生み出せないと評価された人は、次の働き口を見つけることすら難しくなる・・・
つまり、淘汰論を本気で語るのであれば、「雇われる側もまた、企業以上に淘汰される」という厳しい現実を受け入れる覚悟が必要なのです。
どれだけの人がそこを捉えているでしょうか。
「払えない企業が悪い」「賃上げは正義」という単純な構図に乗っかり、自分がその“淘汰される側”に含まれる可能性を想像もせず、自己都合の良い方向性だけを見ていて、本当に大丈夫でしょうか。➡つづく せんむ
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