2024.11.02
ブログ 経営NO.22 就業規則 vs 起業家精神
最近、就職セミナーなどに行くと、決まって「起業家」と呼ばれる人たちが意気揚々としています。
私は学生さんたちが聞いている前で質問をしました。
「起業家のメリットは何ですか?」
その方は「みなさんは普段、校則に縛られていますよね。めんどくさくないですか?そのまま会社に入れば、今度は就業規則というものに縛られます。起業家はそういうことは全くありません。自分の好きな時に好きなようにできる。自由なところが最高です!」
話の続きが当然あるだろうと思いましたが、この方の話はこれで終わりました。。
・・・これ本当ですか?自由という権利の裏は自己責任という義務です。言い方を変えれば「自己責任なので最高です」ということになります。
多額の借金を抱えて倒産や自己破産する起業家はニュースにならないだけでたくさんいます。ということは、起業家の多くは責任を取っていません。買ったもの・サービスの代金を払ってないってことです。ここが一番これから起業家を目指す人に伝えなければならないことです。
夢や希望を語ることは必要ですが、その表裏一体としてのリスクも同じ熱量で伝えなければなりません。「~自由なところが最高です!・・・しかし、その自由を得るためには~」と続けなければならないはずです。
10年続く会社も一握りです。特に創業初期においては資金繰りに奔走しなければならなくなります。勢いだけで見切り発車したものの、ほどなく急激に資金面により失速している会社、人を多く見てきました。「甘い」の一言です。起業家を目指すのであれば、起業する前にまずは資金繰りの勉強が最優先。最低でも日商簿記検定2級の取得は必須です。できれば1級。話はそれから。
その勉強、実践としての資金繰りは想像を絶する心労となります。それを乗り越えるための糧として夢と希望、そして自由が必要なのです。夢と希望と自由だけを持って起業することは丸腰で砲弾飛び交う戦場の最前線にいるようなものです。よっぽど運が良ければ生き残れますレベルです。
そして「就業規則が縛り」という点。就業規則は従業員としての義務を明確にします。ゆえに、その義務をしっかりと履行している以上、結果としての責任は会社が肩代わりしますよ、というものです。つまり、従業員の義務と権利を明文化することによって、一人の人間に全ての責任が集中しないようにしたものが就業規則です。従業員としてのリスク分散としてはこれ以上の防御壁はありません。非常に優れているツールとなります。
学生が集まる就職セミナーで私が会った人は、自称起業家という偽物でした。
起業家とは”責任”という確固たる覚悟と、磨き上げた技術を兼ね備えた人間がやるプロフェッショナルな世界に身を置く人です。ノリと勢いでやって代金が払えませんなんて社会にとって害悪でしかありません。じょうむ
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