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2025.06.28

ブログ 経営ブログ 社会人の心構え

NO.149 人事異動の真の目的 ~慣習がルールを支配する前に~

人事異動というと、多くの人は新しい職場環境や人間関係への適応を思い浮かべるかもしれません。しかし、組織にとって異動の本質的な目的は、「既存のやり方への健全なチェック」であると言えるのではないでしょうか。

何かを指摘すると「前任者からそう引き継いでいる」「長い間これで何も言われなった」という言い訳も多く聞かれるのではないかと思います。残念ながら、そういう人はそれ以上は伸びない、という経験則を私は持っています。自らがそこに「何かがおかしい」と感じられなった力不足を他責にして、専ら自己弁護に励んでいるようでは成長の芽すら芽生えることはないでしょう。

人は慣れた業務や仕組みに安住しがちです。長く同じ部署で働いていると、効率のよい運用が構築される一方で、「なぜその方法をとっているのか」という根本的な問いが置き去りにされてしまうことがあります。言い換えれば、「慣習がルールを支配してしまう」状態です。これは「組織の硬直化」の根本原因でもあり、この状態を打破するために重要なのが人事異動です。

新たに配属された人は、これまでの流れや慣例にとらわれないフレッシュな視点を持ち込むことを心掛けるべきです。非効率なプロセス、形式的な会議、形骸化した資料…。外から来たからこそ気づける疑問を率直に投げかけることで、組織の硬直化を防ぎ、改善のきっかけを創ることこそ第一に取り組むべき事象です。これらは、その仕事に馴染めば馴染むほどにやりづらくなります。ゆえに、最初に「無知なフリ」をしてでも取り組まなくてはなりません。そして、こういった”人財”を異端児のように扱っているようでは、その組織の継続性は危ういと考えます。

もちろん、既存メンバーにとっては「やり方に口を出された」と感じることもあるかもしれません。異動者は新参者でもあり「疑問を口にするのも勇気が要る」のも共感できます。しかし、大小問わず、異動がもたらすそうした刺激こそが組織を健全に保つためには不可欠です。変化を促すためには、内側からの見直しだけでは限界があり、異動という“外圧”が時に有効な働きをするのです。上司はその点をわきまえ、外圧(組織全体にとっての健全な揺さぶり)を冷静に見守り、時として保護するくらいの気概を持つべきだと私は心得ます。

異動は単なる人員の再配置ではありません。それは、組織のあり方を問い直し、より良い仕組みへとアップデートするための戦略的な装置でもあります。異動者自身も、与えられた役割を言われたままにこなすだけでなく、「本当にこのやり方でいいのか?」という視点を持ち、実際にアクションをとることが、自身の存在意義を際立たせることにもつながるのではないかと考えます。じょうむ

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