2025.06.27
ブログ 経営NO.148 「大局を見る」の考察(2/2)~待てるという静の競争力~
前回のブログにおいて、大局をみることによって勝負どころを見極め、ここぞというときにおける力の集中が必要だ、というお話をさせて頂きました。
しかし、それ以外の場面でただただ防戦一方になるのは厳しい現実でもあります。防戦であっても、決して戦力を使わないわけではなく、確実に消耗が伴います。そこで重要になってくるのが、「持ちこたえられる基礎戦力」、すなわち「待てる力」です(私自身がプライベートな生活においても特に意識しているのが、この「待てる力」の確保です)。
勝負のタイミングが分かっていても、それがいつ訪れるかは分からない、という時期的な問題もありますね。そういう意味では、その時を待ちながら耐えるための土台がなければ、どんなに素晴らしい戦略だったとて、絵に描いた餅となってしまいます。企業経営で言えば、それは安定的な資金繰りや、日々の積み重ねによって築かれた人的資源の確保といったかたちで表れます。
「待てる力」は、戦時であれば食料の備蓄、平時であれば経済力や組織力に相当します。同じ局面にあっても、保有する基礎戦力が違えば、見える「大局」もまた大きく異なり、1年しか持ちこたえられない会社と、10年でも耐えられる会社とでは、取れる戦略もリスクの取り方もまったく違うものになります。
つまり、大局を読み解く力だけでなく、その大局を耐え抜くための体力もまた求められるのです。
「待てる力」とは、”時間”という新たな味方を得る力でもあります(普遍的かつ抽象的な資源を掌握する戦略的能力)。誰にでも等しく流れる時間を味方につけることがどれほど価値あることか、特に相場(株やFXなど)に投じたことのある方なら深く理解していただけると思います。
こう言っては元も子もないと言われるかもしれませんが、理想は、圧倒的な「待てる力」を備えている状態です。これを所持しているのであれば、そもそも大局を読む必要すらなくなってしまいます。備蓄は一朝一夕では築けません。だからこそ、日常における小さな倹約や蓄積をより早く、より積極的に推進していくことが、後の戦略的耐性に大きく影響し、それが極まれば大局すら無効化するだけの底知れぬ強さを実現させるのです。
競争力と言えば、派手にドンパチやり合うようなイメージが強いですが、「待てる力=状況がどうあってもそれを耐え得る基礎戦力」。ドンパチのやり合いが”動”なら、待てる力は”静”。しかし、その”静”こそがまさに本質的な競争力、企業が持つ底力です。静かに、しかし確かに積み重ねてきた日々の努力の牙城はそうたやすく破られるものではありません。
力不足の時期はその時々の大局を頻繁に読みながら対応しつつ、微量ながらも基礎戦力(備蓄)の増強を図る。
昨年よりも今年、今年よりも来年、大局を読まざるを得ない頻度が低減してきているのであれば、それは企業が成長している証とも言えます。じょうむ
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