images

NEWS

2024.10.16

ブログ 経営

NO.9 内部留保が過去最高だから賃上げする??

日本の企業が所持する内部留保が過去最高の600兆円を超えたという報道を見ました。そして、それに関して「企業はもっと賃上げをすべきであり、働く人の手取りを増やす努力をしていただきたいものですね」とテレビコメンテーターが発言し、スタジオのみんながウンウンと頷いていました。

思わず「ええっ?」と声が出てしまいました。

これを見ている多くの視聴者は「そうなのか。うちの社長はどこかに利益を隠して独り占めしているのではないか?」と考えるかもしれません。

この情報には2つの大きな間違いがあります。

一つは、コメンテーターの”働く人の手取りを増やす努力”を企業努力だと勘違いしている点。

手取りとは、給料の支給額から社会保険料や税金を引いた後の金額です。つまり、給料の支給を増やすのであれば企業努力ですが、手取りを増やすのは国の努力である、ということになります。コメンテーターがそもそもの支給額を増やすことによって間接的に手取りの向上に貢献することを言いたのであれば”手取り”への言及は余計です。

もう一つは、内部留保が多いので賃上げをすべきという点。

内部留保とは会社が過去蓄積してきた利益の合計金額のことです。1年目~3年目まで毎年100万円の利益を出してきた会社の内部留保額は合計300万円。これは、全部会社が預金などでどこかに寄せているのかと言えば、ほとんど違います。この利益を商売の拡大として仕入や設備や広告、従業員の賃金upや賞与として既に使っているのが大半でしょう。全て現金で所持しているなんて稀です。

つまり内部留保とは帳簿上の単なる差引金額でしかありません。既に再投資や費用として吐き出しており、手元の資金としては存在していないのです。それをどこかに現金を隠し持っているかのように報道し、それで賃上げを煽ることはナンセンスです。

賃上げというのは、商品やサービスの価格形成に大きく影響します。賃上げとセットで価格スライドをさせる国としての施策も必要かもしれません。じょうむ

Contactお問い合わせ​​

職場見学・体験、インターンシップなども
受け付けております。
1時間〜1週間程度の間で
柔軟に対応致しますので、
お気軽にお問い合わせ下さい。
メールでのお問い合わせの場合、
3日経っても返信がない場合は、
恐れ入りますが
再度ご連絡頂ますようお願い申し上げます。