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2025.07.31

ブログ 経営

NO.170 失敗には「致命傷」がある ~あらゆる挑戦を支える土台認識~

「成功するには、挑戦と失敗が欠かせない」「成功者とは誰よりも失敗をしている人だ」——そんな言葉をよく耳にします。確かに、失敗は深い学びの機会であり、成長の糧でもあります。しかし、経営の現場では、一度の失敗が企業にとって“致命傷”となり得る、ということは決して忘れてはなりません。

企業は常に不確実性の中で意思決定をしています。そのなかで過去の小さな成功に油断した判断や、現場の声を軽視した意思決定が、やがて取り返しのつかない結果につながることがあります。たとえば、暗黙のルールに頼った業務運営、曖昧な契約内容、初期対応の遅れなどが積み重なることで、信頼やブランドの低下が修復しきれないレベルまで落ち込むことがあるのです。

以前とある企業で、「出荷を急ぎ、伝票の記録が後回しになった」ことが原因で、在庫数が合わず、無いはずの在庫に対する販売を確約してしまい、取引先との間に大きなトラブルが生じたケースがありました。また、納品伝票の未記録が発端で売上漏れが発覚し、経営的にも大きなダメージを受けかけたケースもありました。

こうした事態は、業種を問わず、日々のオペレーションの中に多分に潜んでいます。一見単純かつ些細なミスとして見過ごされそうなものですが、ほんの少しの油断や曖昧さが、数年かけて築いた信用を一夜にして失わせる可能性があるのです。

こうした致命傷を回避するためには、単に「ミスを責める」のではなく、それを仕組みで防げるような視点を持つことが重要です。

・失敗から再発防止をどう制度化するか

・業務の動きと記録がリアルタイムで連動する設計ができているか

・些細な違和感や兆候を察知できる組織文化(報連相)が育っているか etc.

これらの視点こそが、重大な失敗を「学び」に昇華させ、組織の持続的成長へと導きます。

挑戦を歓迎する企業文化をつくるためにこそ、「失敗が致命傷になりうる」というリアリズムと、それでも挑み続ける勇気を支える安全設計が必要です。

挑戦する力と、致命傷を防ぐ仕組み——その両輪が揃ったとき、組織はしなやかに、そして強く進化していくことでしょう。 そしてその進化は、社員一人ひとりの挑戦を支え、信頼を築きながら社会に向けた価値創造へとつながっていくと信じています。 じょうむ

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